橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

江古田「山ちゃん」

classingkenji2012-02-12

二軒目はここ。「山ちゃん」といっても、名古屋発祥のチェーン店とはまったく関係がなく、個人が昨年一二月に開いた、L字型カウンターと小さなテーブルだけの小さな店。看板には「もつ焼」とあるが、豚と鶏がほぼ同比重のメニュー構成で、鶏が一二〇円、豚もつが一〇〇円。酒もだいたい安く、とくにホッピーは三六〇円。サワー類は三八〇円、生ビールは四八〇円と普通の値段だから、ホッピーは割安感が強い。
この日は、煮込みがまだ出来上がっていないというので食べられなかったが、串焼きはたれ、塩ともいい線を行っている。テイクアウトは四時からやっているようだが、居酒屋としての開店は六時らしい。「鶏ジロー」とは毛色が違う店だが、「四文屋」とは比較の対象になる。「四文屋」に比べるとメニューは少ないが、味と価格でいいライバルになりそう。(2012.1.18)

練馬区栄町29-5
18:00〜24:00