橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「ダブリナーズ・アイリッシュ・パブ」

classingkenji2010-01-05

今日は雑誌の編集者と打ち合わせで、池袋へ。まずは喫茶店で打ち合わせを、とのことだったのだが、あいにく気の利いた喫茶店というものを知らない。そこで、この場所を指定した。時期が時期だけに、店内はクリスマスモードだ。
ここは銀座ライオン池袋西口店の入り口にあるアイリッシュパブサッポロライオンの経営で、アイルランド直送のギネス、キルケニー、マーフィーズを出す。都内に何店かあり、池袋のこの店は、開店の頃からときどき通っている。昨年、ギネスとキルケニーを製造・販売するディアジオ社がサッポロとの契約を解消し、新たにキリンと販売契約を結んだため、この店の行く末が気になっていたのだが、従来通りギネスとキルケニーを出してくれている。日本で、キルケニーを出す店は少ない。「洋梨の香り」とも形容されることのあるこのエールが、引き続き飲めるのはうれしい。
ギネスの他にマーフィーズのスタウトを出すようになったのは、ささやかな抵抗といったところだろうけれど、個人的にはスタウトの香味の強いマーフィーズの方が好みに合う。ギネスとキルケニーは、一パイント一〇〇〇円。マーフィーズは九五〇円と、微妙に価格差もつけている。ちなみに、この店ではヱビスやエーデルピルスもパイントグラスで出す。ちょっと気分が変わって悪くない。(2009.12.15)

豊島区西池袋1-10-8 サン・グロウビルB1
月〜金 17:00〜23:30 土 16:00〜23:30 日・祝 16:00〜22:00 無休