橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

仙台「ガストロパブ クーパーズ」

classingkenji2010-01-22

伝統的なイギリスのパブは、料理がないか、あっても不味いというのが定評である。ところが比較的最近になって、うまい料理を売り物にする「ガストロパブ」と称するパブが、いろいろ登場してきた。これを真似たということなのか、日本でもこんなパブが登場したらしい。今回仙台ではじめてみたが、丸の内と汐留にもあるとのこと。経営は、サッポロ系列のサッポロライオン
おいているビールは、黒ラベルヱビスの他、ギネス、キルケニー、マーフィーズ。驚いたことに、ストロングボウのシードルをおいている。一ヶ月の英国生活で、幾度となく飲んだ酒だ。メニューには樽生と書いてあったのに、実際はボトルだったのは残念だが、勢いよくわき上がる美しい泡と、リンゴの香りは、何とも懐かしい。
料理は、フィッシュ・アンド・チップス、ローストビーフ、グリルソーセージ、トルティーヤのチーズディップ、ピザ、生ハムなど。手の込んだものはないが、ビールに合うものを揃えている。
東京にもブリティッシュパブはいくつかあるが、まだ業態として定着したとはいえない。サッポロが展開してくれるなら、大歓迎である。ただし、今のところビールのラインナップは「ダブリナーズ・アイリッシュ・パブ」とほとんど同じ。英国産のペールエールをいろいろ出す店を作ってくれないものか。期待している。(2009.12.24)

青葉区国分町2-1-3 エーラクフレンディアビル1F
17:00〜24:00(日祝〜22:00、平日はランチあり)