橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「大升」

classingkenji2008-10-03

久しぶりの北千住、二軒目に寄ったのは「大升」。「千住の永見」と同じく、北千住駅の西口から南へ降りたところの飲食店街、ときわ通りにある。コの字型を長く延ばしたカウンター一〇席ちょっとという狭い店だが、メニューが豊富。中心はモツ焼だが、もやしいため、レバニラいため、なすいためなど、野菜たっぷりの炒め物が多い。独身男性が重宝しそうな店で、実際、若い客はたいがい炒め物を注文していた。カウンターの前には干物が積み上げられていて、これも美味しそう。ご主人と女将さんと思われる二人で切り盛りしていて、連係プレーで注文してからの出来上がりは早い。今日はシロもつ焼きとレバニラいためをいただいた。いずれも、ほっとするようなおいしさ。酎ハイ(三一〇円)は、レモンサワーに近いすっきりした味。ビールも四七〇円と安い。土曜休みで日祝日営業という珍しい店。平日にしか行ったことがないが、混んでいることが多く、なかなか入れない。どうしても入りたかったら、周りには大衆酒場がたくさんあるから、どこかで飲んでまた寄ってみるといい。(2008.9.25)

足立区千住2丁目65
16:30〜23:30 土休