橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

阿佐ヶ谷「四文屋」

classingkenji2008-09-17

今日は、久しぶりに大学へ行き、たまった郵便物や配布物の整理をし、手紙やメールをいくつか書いた後、バスと中央線を乗り継いで阿佐ヶ谷へ。まず入ったのは、この店。チェーン店にもかかわらず、個人営業の老舗のような仕上がりのモツ焼とモツ煮込みを食べさせてくれる「四文屋」である。西武線沿線と中央線沿線の何軒かに行ったが、この店ははじめて。阿佐ヶ谷駅の北口から左の路地に入り、線路沿いをしばらく歩いた場所にある。店は二つの路地にまたがっていて、反対側の出口は二本目の路地に面している。
メニュー(写真)も味も、基本的には他の店と同じだが、モツ焼に関しては、ちょっと焼きすぎのように思えた。焼きながら、しきりに焦げた部分をハサミで切っていたりしたから、気のせいではないと思う。もっとも、四文屋は日によってスタッフが違う場合もあり、焼き場の担当も一定ではないから、この日に限ってのことかもしれない。いろいろな部位の入った煮込みは、たいへんおいしかった。フランスのトリップより、こちらの方がずっとおいしい。周辺にはがら空きの店もあったが、この店はほぼ満員。店員は相変わらず、手が空くと呼び込みをするなど、まじめに働いていて気持ちが良い。ちなみに「四文屋」には、ホッピーのある店とない店がある。残念ながら、この店にはない。(2008.9.9)

四文屋 阿佐ヶ谷店 
杉並区阿佐谷北2-2-6