橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

中野「牛の四文屋」

classingkenji2009-06-22

やきとり、魚に続いて、「四文屋」の第三の業態が登場らしい。今度は、牛である。
牛だから、安いというわけにはいかない。ランプ、ロース、イチボなどステーキ系は二〇〇円、シビレ、シマチョウ、ギアラなどホルモン系もだいたい二〇〇円だが、上ミノになると三〇〇円。しかし、ドリンク類、野菜・キムチなどは他の四文屋と同じ価格設定だから、取り混ぜて注文すれば、さほど高くなることはないだろう。
この値段だから、他の店のように大入り満員とはいかないようだが、スーツにネクタイ姿のサラリーマンのグループ、ちょっと落ち着いたカップルなど、普通の四文屋とは微妙に違う客層で、けっこう賑わっている。考えてみると、ランプ、ロース、イチボと、赤身のステーキを食べ比べるなどというのは、なかなかできることではない。その他、牛モツ煮込み(三五〇円)や牛鍋(一二〇〇円)などもある。牛肉好きの人は、どうぞ。(2009.6.12)

中野区中野5-63-5