橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「ふくろ 美久仁小路店」

classingkenji2009-06-19

どうも、不完全燃焼だ。この界隈に来たからには、やはり横丁の居酒屋に入らなければ。というわけで、二軒目はここへ。この店の店員の女性については、以前も書いたことがあるが、素晴らしく有能で、たった一人で何十人もの注文をこなしていく。さっさと注文を処理し終わると、余裕で煙草を吸ったりする。以前はバイトの若い女性がいたこともあるが、いちいち指図したり間違いを正したりとかえって大変で、いつの間にか一人に戻ったようだ。
何か、特別にうまい酒や料理があるわけではない。しかし、この居心地はなかなか他の店にはない。「普通の大衆酒場」というものの、ひとつの頂点にあると思える店である。

豊島区東池袋1-23-12
16:00〜24:00 日祝休