橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

阿佐ヶ谷「かぶら屋」

classingkenji2009-06-23

中野の次は、阿佐ヶ谷へ。「吟雅」で人と会うことにしていたからだが、その前に北口のほうの飲み屋街に立ち寄る。真新しい看板を見つけて、入ってみたのが、この店。もつ焼きが中心で、珍しいことに静岡風のおでんがある。チェーン店らしいが、他で見た記憶がない。
全体に、値段は安い。もつ焼きは、一本八〇円。しかも、カシラ、レバ、タンなどの定番の他、テッポウやシビレまである。ボリュームもあり、シビレなど、普通にない大きさだった。ただし、タレはアミノ酸的な味がする。塩の方が賢明かも。ドリンクが、また安い。ビール中ジョッキが三九〇円(ただしスーパードライ)、酎ハイ三〇〇円、生レモンサワー三八〇円など。ホッピーはないが、この価格設定では置かないのが賢明かもしれない。店内は、ほとんど満員である。
できたばかりの店らしく、サービスはまだこなれていない。新米店員が多く、注文の流れが悪い。かと思うと、ビールがジョッキにまだ一センチ以上残っているのに、「ドリンクいかがですか」と余計なことをいう。しかも「ちょっと待って」というと、飲み終わるのを後ろでずっと待っている。落ち着いて飲ませろといいたくなる。店が軌道に乗る過程で、解決していくことだとは思うが。
調べてみると、池袋に五店舗の他、新宿、高田馬場、十条など、都内および近郊に一八店舗あるとのこと。時代はもつ焼きチェーン、なのかもしれない。(2009.6.12)

杉並区阿佐谷北2-1-5
17:00〜23:30 無休
http://www.kaburaya.biz/index.html