橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

阿佐ヶ谷「吟雅」

classingkenji2008-09-18

二軒目は、選りすぐりの純米酒を絶妙の燗で飲ませてくれる「吟雅」。ワインもあるが、今日は当然、久しぶりに日本酒を楽しむこととし、秋鹿・特別純米や、諏訪泉・純米吟醸などをいただく。ご主人はソムリエと唎酒師の資格を持つ酒のプロだが、料理にも研究熱心。本日は大間産の本マグロの切り落とし、同じく中落ちのつみれの味噌仕立て、豆腐とツナのグラタン、卵の白トリュフソースなどをいただいた。三ヶ月間、ワインとビールだけだったので、日本酒の優しい甘味が舌に沁みる。開店から七ヶ月を過ぎたが、商売は?の問に「ブルゴーニュです」との答え。その心は「赤だけどボルドーほど赤くない」とか。少しずつ軌道に乗って来てはいるということだろう。このまま、名店に育っていってほしいものである。今日はビール一本、日本酒三合、料理四品をいただき、二人で六五〇〇円。料理のサイズが小さいとはいえ、ちょっと安すぎませんか。阿佐ヶ谷駅南口を新宿方向に出て、一番街の一番奥の方にある。(2008.9.9)

吟雅
杉並区阿佐ヶ谷南2-20-2
03-3312-9813
18:00〜1:30 日休