橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「天狗」の「ドライハイボール」

classingkenji2007-09-04

コリドー街の天狗にも寄ってみた。この店は、「天狗」チェーンのアンテナショップ的存在で、ときどきチェックすることにしている。個室風のテーブル席などがあり、「天狗」の今後の展開が読める店なのである。新しくメニューに入った酒が「オリジナル天狗酎ハイボール」で、ドライ、スウィート、キティの三種類。「焼酎をオリジナルビアテイスト飲料と炭酸で割った」とのこと。ドライを頼んでみたが、薄めのホッピーのような味に、柑橘系の酸味と甘味が加わる(写真)。ホッピーと下町ハイボールを足して二で割り、甘味を加えた感じか。果たして定着するものかどうか。ジョッキの右下にあるのは、付け出しの海老マヨネーズ。この店、いつから付け出しを出すようになったのだろう。レシートを見ると、二一〇円取られていた。天狗よ、お前もか。まあ、合成物のかたまりのような漬け物など出されるよりはマシだが。