橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「なんで、や」金沢木倉町店

classingkenji2009-01-08

昨日行った「鏑木」の斜め向かいに、ティーケーエス・グループの「なんで、や」があった。金沢に店を出したことは知っていたが、木倉町の入り口という好ポジションである。金沢に、モツ焼を食べながらホッピーを飲むことのできる店が出現というわけである。店内は、ビールケースやベニヤ板、ステンレスパイプなどを使った、鹿児島の「豊年満作」に似た造り。店名は「なんで、や」だが、メニューは幅広く、串焼き、刺身、各種魚貝料理が並ぶ。酒も、天狗舞菊姫、福正宗、手取川など、地元の有名どころを置いている(一杯六八〇円)。
店に入って、ホッピー(セット四八〇円)と刺身(ブリ、マグロ、サザエなど四八〇円均一)を注文したところで、店員が「こんなところでお会いするとは」と挨拶にやってくる。なんと、「なんで、や」下高井戸店の店長だ。開店間もないこの店に、応援に来ているとのこと。ホッピーと焼きとんの売り上げは?と尋ねると、焼きとんは売れているが、ホッピーは知らない人が多いせいかあまり売れていないとのこと。そのせいだろうか、メニューにあった黒ホッピーは品切れだった。
帰り際、店先で店長と記念撮影。年明けには、下高井戸に戻るそうだ。地元の酒と魚を安くいただけるのだから、大衆酒場好きなら寄ってみる価値がある。私もこれから、金沢でホッピーともつ焼きに飢えたら、ここに寄ってみよう。(2008.12.24)

金沢市木倉町2-4 西野ビル1F
17:00〜3:00 無休