橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

金沢「鏑木」

classingkenji2009-01-07

今日は、義父母の金婚のお祝いで、ヤミ市時代の名残をとどめる飲食店街・木倉町にあるこの店で夕食会。洋風が基本だが、和や中華の要素も取り入れるレストランである。本日の献立は、オードブル四点盛りに始まって、サラダ、スープ、蟹クリームコロッケ、伊勢エビのグラタン・ペンネ添え、フォアグラの照り焼き、ヒレステーキと続く。伊勢エビは、ペンネの味がわずかに邪魔だが、まあまあの出来。フォアグラはもっと美味しい食べ方があると思うが、意外に照り焼きもいける。ヒレステーキは、地方都市としてはかなり高水準。酒はワインが中心で、ボトルだとミュスカデ三六七五円、グラーブやコート・デュ・ローヌが四二〇〇円など、いずれもあまり有名でないシャトーものだが、リーズナブルだ。
この店の特徴は、器に多彩な九谷焼を使っていること。もともと九谷焼を商う美術商の経営で、こんなところが金沢らしい。あくまでも市民がたまに行くレストランであり、観光客が行く店ではないと思うが、興味があればどうぞ。ホットペッパーにサイトがあり、コース料理はここの割引券を使うとかなり安くなる。(2008.12.23)

石川県金沢市木倉町1-8
11:30〜14:00、17:00〜23:00 無休