三軒茶屋・なかみち街
何日か家でおとなしく仕事をし、そのまま家で食事をしていたのだが、居酒屋欲求が抑えきれず、今日は三軒茶屋へ。行きたい店があったので、まずは「なかみち街」へ。行きたかった店というのは、ブラボー川上と藤木TDCの『続・東京裏路地〈懐〉食紀行』に載っていた店。なかみち街からちょっと横に入ったところの、これまで二度ほど通ったものの、結局どこにも入らずにいた居酒屋通りにある、「T」というやきとり屋である。ヤミ市探検隊の二人が、いかにも目をつけそうな店で、雰囲気は私も嫌いではない。
しかし、中身がこれでは……。ホッピーは三八〇円。これ自体は普通の値段なのだが、グラスに氷と焼酎を入れ、さらにボトルからホッピーを注いだ飲みきりの値段である。お代わりすれば、当然二倍。名物という一五〇円の鰻串焼き二本、八〇円と壁に書かれた焼きとんを四本、それにホッピーを三杯いただく。味について、とやかく言うつもりはない。で、お勘定はなぜか二五二〇円。なぜ?可能性として考えられるのは、(1)卵とスナックエンドウのお通しが七六〇円。これは、ありそうにない。(2)ホッピーを一杯よけいにつけられ、その上、やきとんは一〇〇円に値上がりしている。付け出しは三〇〇円。これがいちばんありそうだ。客は、私ひとりだけ。店主は話し好きで、いろいろ話しかけてくる。これはいいのだが、しつこく職業を聞いてくるのには閉口した。カウンター一列だけの店だが、カウンターの表面には食べ物の滓が付着して、手に粘着する。
この本は、前作と同様、たいへん面白い。私もヤミ市探検は大好きなので、大いに参考にさせてもらおうと思っている。出てくる店をみても、いずれも探検欲と食欲をそそられる店ばかり。ただし、居酒屋ガイドではないので、時にはこんな店もあるかもしれない、ということだ。(2008.10.21)
- 作者: 藤木TDC,ブラボー川上
- 出版社/メーカー: ミリオン出版
- 発売日: 2008/04/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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