橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

キリンビール北陸工場

classingkenji2007-08-15

辰口温泉の帰り道に立ち寄ったのが、ここ。工場に「キリンビアパーク北陸」が併設されていて、工場見学の後は試飲をすることができる。キリンラガー、一番絞り、淡麗生など、主力商品を製造する工場である。規模は、さほど大きくない。貯蔵タンクが十数本立ち並んでいるが、これも比較的小さいもの。缶詰とパッケージングの工程も見たが、最新工場に比べるとラインのスピードが遅いように思う。
キリンの工場では、見学が終わるとチケットを二枚渡される。これは、キリンの他の工場も同じである。最初は一枚目を渡して一番絞り一杯とおつまみを受け取り、残りの一枚は、一番絞り、ラガー、おつまみのどれかと交換できるシステム。一番絞りの方が苦みが少ないので、最初はこちらを飲ませるわけである。グラスは大きめで、居酒屋の小生くらいの量があるから、二杯飲むとけっこう良い気分になる。平日の昼間だから、客はそれほど多くない。ご隠居さん風の団体客は、商店会か何かの集まりだろうか。飲める人が飲めない人からチケットをもらって、何杯も飲んでいるのが微笑ましい。ビール工場の見学は楽しい。行ったことのない人は、ぜひどうぞ。東京周辺なら、サッポロの千葉工場とキリンの横浜工場がある。