橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夏休み

明日から一〇日間ほど、たまにはブログから離れた日々をということで、更新をお休みさせていただきます。 経験のある方も多いでしょうけれど、ブログを更新しなければならない→なじみの店だけではなく、行ったことのない店へ行く→メニューや値段などちゃんと…

銀座「樽平」の冷や汁

浜松町から、銀座へ移動する。久しぶりに「樽平」へ行ってみることにした。 平日だからなおさらだが、サラリーマンが多い。この暑さだから、冷酒を二種類ほどいただく。肴は、たいがい注文することにしている漬け物の盛り合わせ、そして米沢料理という「冷や…

浜松町「名酒センター」

浜松町の文化放送で番組収録の後、どこへ行こうかと考える。せっかく浜松町に来たのだから、ここに寄ってみよう。前回来たのは二〇〇六年の秋だったから、ほぼ四年ぶりになる。 内装が少し変わったようだ。L字型のカウンターができて、すっきりした感じだ。…

浜美枝さんと対談しました

文化放送で、浜美枝さんと対談しました。テーマは、『居酒屋ほろ酔い考現学』。当日はちゃんと読んでから対談に臨んでくださり、的確な質問をいただきました。すでに、浜さんのブログで紹介されていますが、放送は八月二八日の予定です。居酒屋ほろ酔い考現…

祐天寺「ばん」

恵比寿の次は、祐天寺の名店「ばん」へ。久しぶりの訪問である。 相変わらず大繁盛で、主人は見ていてハラハラするほど忙しくしておられる。以前はよく、客に話しかけておられたが、もうそんな余裕もなさそうだ。味も、安さも、以前の通り。少しだけ値上げし…

恵比寿「かっぱちゃん」

今日は、聖心女子大での集中講義も最終日。試験をしてすべてのスケジュールを終わり(おっと、採点はまだだ)、恵比寿へ。広尾へは恵比寿経由だから、行き帰りに恵比寿駅に降り立つことになる。寄らない手はない。今日は、恵比寿横丁へ行ってみることにした…

西麻布「浜の家」

外苑西通りから六本木通りに出たところ、道路の反対側に、いかにも場違いな一軒家がある。それが、この「浜の家」。提灯には「おでん やきとり」とあり、外壁に所狭しと下げられた木札には、レバ、ハツ、カシラ、シロ、牛すじ、薩摩揚げ、京がんもなどと、品…

西麻布「せいざん」

この日は、広尾の聖心女子大学で集中講義。暑いさなかに六時間の講義を終え、さてどこで飲むかと考えた。広尾は昨年、隅から隅まで歩いて探索したので、今日は別の場所へ行ってみようと、北上して西麻布へ行ってみることにした。広尾から外苑西通りの一本裏…

本郷「加賀屋」

ちょっと用事があって本郷へ行き、帰りにこの店に寄る。先日紹介した「TOKYO大衆酒場」の記事によると、この店が加賀屋の「本店」ということらしい。店内は細長く伸びていて、奥に座敷がある。三年前に来たとき、店員に気になる点があって苦言を書いたことが…

木挽町「楓」

ビールでのどを潤したあとは、木挽町へ。目指すは、静岡料理が売り物のこの店である。 静岡料理というものが存在するかといえば少々あやしいが、他の地域にあまり見かけないユニークな料理はいくつかある。まず、静岡おでん。黒はんぺんはおでんのネタとして…

汐留「BEER DINING LION 汐留店」

今日は高田馬場で講演をしたあと、勝どき・月島方面へ。先日、カレッタ汐留のレストランで湾岸のジェントリフィケーションの様子を上から観察したので、今度は下からじっくり見てやろうというわけである。上から見ると、超高層ビルが林立しているように見え…

青山ジャングルと「あべちゃん」

今日は、根津美術館へ。仏教美術の展示を見たあと、六本木方面へ歩く。青山墓地の端あたりで見つけたのが、この風景。都心のジャングル、まさに奇観である。手前の植物はマングローブ、ではなくて壁を蔓性の植物が這っているだけだが、見た目はかなり似てい…

江古田「アンダルシア」

今日は武蔵社会学会の大会。大会後の懇親会の会場が、このレストラン。看板には「モロッコ スペイン レストラン」とあり、ジブラルタル海峡を隔てた二国の料理を出すということらしい。店の日本語名は「アンダルシア」だが、アルファベットではアラビア語の…