橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

汐留「BEER DINING LION 汐留店」

classingkenji2010-08-04

今日は高田馬場で講演をしたあと、勝どき・月島方面へ。先日、カレッタ汐留のレストランで湾岸のジェントリフィケーションの様子を上から観察したので、今度は下からじっくり見てやろうというわけである。上から見ると、超高層ビルが林立しているように見えたが、下から見ると意外にビルとビルの間隔が広く、古い街並みがまだまだ残っている。細い路地の、植木と物干し台の向こうに、超高層ビルが見えるという、インナーシティの典型的な風景があちこちで見られた。
そのあと、汐留の旧新橋駅舎へ。復元された駅舎の中に、このビアレストランがある。中は意外に広く、駅舎には収まらずに後ろへはみ出ているかっこう。価格設定は、基本的にライオンと同じだが、アミューズに四〇〇円、サービス料を一〇%取る。アミューズは、上にえびを飾ったところてんで、この暑い日にはたいへん気が利いている。料理は、「選んでタパス」(九八〇円)というのを注文。これは、一二種類あるタパスの中から、好きなもの三種類を選ぶというもので、私は牛モツのトマト煮、海老とマッシュルームのアヒージョ、蒸し野菜のジェノバソースを。牛モツは、油のぷっくりついた丸腸の部分で、たいへん美味しかった。ビールの味は、ライオンとしては普通。客は近くのビジネスマンが多く、外人客も目立つ。汐留見物のついでに寄ってみるのは悪くない。(2010.7.20)

港区東新橋1-5-3 旧新橋停車場内
11:30〜15:00 17:00〜23:00
土日休 11:30〜21:00 無休