橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

下板橋「春夏冬家」

classingkenji2017-07-22

東武東上線下板橋駅に近いこの店、「春夏冬家」と書いて「あきないや」と読ませる。魚料理と日本酒が充実した居酒屋だ。
定番の日本酒は、「八海山」「鳳凰美田」「黒龍」「〆張鶴」「新政」「出羽桜」と堅実だが、季節の「夏の酒」というメニューがあり、「奥 夏吟醸」「紀土 夏の疾風」「徳治郎 夏純米」など。値段はグラスで六〇〇円から七〇〇円のものが多い。紀土を頼んでみたが、香りよくさらりと切れる素晴らしい酒だった。
日替わりメニューには、刺身と日本酒に合いそうな魚がずらりと並んでいる。値段も安く、刺身はよかったが、鱧の天ぷらは、いまひとつ衣が固かったか。近所にあれば、足繁く通いそうな店。比較的近いから、時々足を運ぶことにしよう。(2017.6.24)

板橋区板橋1-36-10
17:00〜翌3:00 水休