橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「樽平」

classingkenji2016-11-22

神田に用事があったので、帰りにこの店に寄ってみた。銀座の樽平は幾度となく行っているが、この店はたぶん初めてだ。
カウンター中心の店で、一人客には実に居心地が良い。ホワイトボードに旬のおすすめがあり、かつお刺し、芋煮、舞茸天ぷら、菊花ひたし、銀杏焼きなど、四五〇円から七八〇円と手頃。定番メニューにも、玉こんにゃく、晩菊、とんぶりとろろ、だし入り冷奴など、おなじみのものが並んでいる。酒はもちろん、樽平に住吉。常温で飲むのがいちばんうまい酒で、これこそが本来の日本酒だと思わせる。あまりに空いているので、経営状態が心配になったが、単にタイミングの問題だろうか。(2016.10.3)

千代田区内神田3-13-2
16:00〜23:00 日祝休