橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

社食でホッピー

classingkenji2012-02-01

今日は、日本生産性本部が企画する「企業文化研究会」で、居酒屋に関する講演を頼まれて丸の内へ。会場はJXホールディングスの会議室。一時間ばかり、格差拡大とともに起こってきた人々の飲酒行動の変化、石川栄耀の盛り場論や磯村英一の第三空間論を引きながら「人はなぜ居酒屋へ行くのか」について、危機に瀕する日本の居酒屋文化を守らなければならない理由と、その見通しについてなどお話しする。
そのあと、なぜか社食へ移動。どんな物が出るのかと思ったら、この社食にはなんと、地酒と本格焼酎が五種類ほどずつ揃っていて、その上ホッピーまである。なんとすばらしい社食だろう。聞くと、さすがに金曜日は外のちゃんとした店へ行く社員が多いので空いているが、それ以外の平日はけっこう盛況だとのこと。メニューも、冷や奴、枝豆、薩摩揚げ、チーズクラッカー、キムチなど、大衆酒場の定番が揃っている。ちなみにホッピーはセットで三九〇円、サワー類は二八〇円、ビールは大瓶が四九〇円、いいちこがボトルで一四〇〇円、吟醸酒の四合瓶が一八八〇円からと格安。
この店で終わったわけではなく、一時間ほどで二次会に移動したのはいうまでもない。(2012.1.13)