橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

中目黒「大樽 目黒川店」

classingkenji2011-08-24

今日は、恒例となった聖心女子大学での集中講義。猛暑のなか、六時間しゃべり続けて脱水状態になったところで、中目黒へ向う。ここは大衆酒場の多い場所だが、土着居酒屋チェーンの本店(?)へ。
「大樽」は、中目黒に何軒かあるほか、祐天寺や武蔵小杉などに店がある。店の名前は少しずつ違うが、メニューは同じ。この店は、目黒川のそばの四つ辻の角にあり、ガラス張りで明るく、入りやすい雰囲気の、まさに大衆酒場。店頭には、どういうわけか坂本竜馬の写真が飾られているが、店主は四万十町出身とのこと。「レモンサワー・酎ハイ150円 サッポロラガー大瓶450円)の看板もあって、客を誘う。酒は全体に安いが、料理はもつ焼き四本五三〇円、マグロ刺身七〇〇円、煮込み三三〇円など、まあ普通の値段。以前行ったことのある、系列の「割烹こすぎ」と同じく、インド系の店員が多い。話すのは苦手そうだが、メニューが多いのに、客の注文をよく聞き取っている。
ガラス張りだから、春にはビールを飲みながらの花見が楽しめそうだ。(2011.8.2)

目黒区上目黒1-5-15
16:30〜3:00 無休