橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

レバ刺しを救え!

とんでもないニュースが入ってきた。

食中毒:生食用レバーの規制是非検討 厚労省審議会
焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、生食用牛肉の罰則付き衛生基準を検討する厚生労働省の審議会の初会合が28日開かれ、肉だけでなく、内臓のレバーについても、生食の規制の是非を検討することを決めた。(毎日・6月29日)

審議のゆくえによっては、「レバ刺し禁止」である。別の新聞の記事によると、「消費者団体」の委員が法律で提供を禁止しろと迫ったとか。「消費者団体」の代表なる者が、あたかも消費者を代表しているかのように扱われては、たまったものではない。当面の検討対象は牛のみで、馬は検討対象にされず、豚・鶏については10月以降に検討するとのこと。
これは、食文化の危機、大衆酒場文化の危機である。うまいレバ刺しを食べ続けられるようにするため、われわれに何ができるか、考えていこう。