橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「樽一」の「浦霞・震災酒ノーラベル」

classingkenji2011-06-29

高田馬場で一九五九年に創業し、今は新宿に店を構える「樽一」は、「浦霞」を、初めて東京で紹介した店である。震災後は、蔵元から荷崩れで中身の分からなくなった酒を引き受け、「浦霞震災酒ノーラベル」として出している。中身は純米または純米吟醸クラスのもの五種類のうちどれかとのことで、飲んでみて考えるのも一興だ。注文の際には五〇〇円の義援金をお願いしているが、札を出したり、グループ全員が五〇〇円ずつ出したりする客もあった。集まった義援金は、蔵元と塩竃市に届けたとのこと。
「ノーラベル」の在庫は流動的なので、これが目当てなら電話で確認を。ちなみに現在は、「ナガス鯨祭り」開催中とのこと。(2011.5.20)

新宿区歌舞伎町1-17-12 5F
17:00〜23:00 日祝休