橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「男体山」

classingkenji2009-07-07

二軒目に入ったのは、ここ。この店、ずっと前から知ってはいたのだが、入ったのは今日が始めて。だって、風俗店が集まる界隈に「男体山」ですよ。「女体山」ほどではないが、気恥ずかしくて(笑)。少し酔いが回ったところで、空席がみえたので入ってみることにする。
一階はカウンター席中心で、二階もある。焼き場の傍のカウンター席に陣取り、まずはサッポロラガー大瓶(五二五円)を注文。もつ焼きは最初に五本がルールとのことだが、一本単位で指定ができる。タレと塩を混ぜるのも可。これなら、不満はない。カシラ、タン、ナンコツを塩で、シロとレバーをタレでいただくことにする。一本一二五円で、五本セットなら五七五円とのこと。肉は大きめで、味も、池袋では有数といっていいだろう。
客はほとんどが男性で、スーツにネクタイ姿のサラリーマンが多い。外にもテーブルがあり、四人くらいまでは飲むことができる。客は続々やってくるが、だいぶ出来上がったサラリーマンが二−三人で、というパターンが多い。気の張る飲み会が終わってから、あるいは残業を終えてから、飲みに来る店なのだろう。串焼きのあと注文しレバ刺しは絶品。素材がいい上に、下処理が良くできているのだろう。臭みがなく、シャキシャキした歯ごたえがいい。酒の種類が少ないのが難点といえば難点だが、サッポロラガーがあるなら文句はない。(2009.7.2)

豊島区東池袋1-41-14
16:30〜24:00 日休