ガード下の魔窟
神田は、上野、新橋、新宿などと並んで、最大規模のヤミ市があった場所である。現在の飲食店街の大部分が、その範囲にある。その片鱗は、ガード下にみることができる。神田駅のガードは、山手線、京浜東北線、中央線など線路が多いため、線状ではなく面として広がっている。道路になっている場所はまだ分かりやすいが、道路ではなく単に飲食店街の並ぶ通路が何本かあり、果たしてこれが現代の日本なのかと思うほど、ヤミ市時代の雰囲気が色濃く残る。いろんな場所で飲んできた私でも、ちょっと入りづらい店もいくつかある。
今日の最後に入ったのは、この店。細い道路に面した普通の大衆酒場だ。安くて、味もまあまあ。神田ガード下のヤミ市酒場入門には、なかなかいい店だと思う。(2011.1.11)
ふじくら 千代田区鍛冶町2丁目14−1