橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

ホッピーの価格表示

classingkenji2009-10-20

仕事を終えて、新宿へ。仕事で疲れたときは、もつ焼き気分になるのだが、たまには新しい店にも行きたい。やきとり横丁を歩いていると、「ホッピー300円」の文字が目にはいる。この場所で三〇〇円はあるまい、グラス飲み切りの値段だろうかと思いつつ、中に入ってみる。
やはり、トリックがあった。店内のメニューをみて初めて分かる仕掛けなのだが、外だけの値段である。焼酎は三〇〇円だから、要するにセット六〇〇円。新宿としても高い価格設定である。結局、これより安いビールを飲むことにした。
消費税の内税・外税というのがあるけれど、ホッピー価格にも、表示の基準を示してはどうか。内中・外中では紛らわしいから、中込・中別でいい。中別の場合には、三〇〇円(中別)というように表示する。こうでないと、ホッピーのある居酒屋に、安心して入れないというものである。(2009.10.8)