橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「東京アメリカンクラブ」のシャンパン・ブランチ

classingkenji2009-10-16

今日は知人のフランス人と日本人の夫婦に招かれて、東京アメリカンクラブへ。ここは入会金二二〇万円、月会費二万円という高級社交クラブだが、知人は仕事で接待などに使っているらしい。本来は麻布台にあるのだが、現在は立て替えのため、一時的に高輪に移転している。シャンパンと料理が、ここにメンバーとして来るようなお上品な人たちは使わない言葉だろうけれど「飲み放題食べ放題」で、五〇〇〇円というお得な企画である。
シャンパンは、さほど高級なものではなさそうだが、泡もきれいで十分美味しい。ビュッフェ形式の料理は、ベーコンエッグのような朝食メニューから、オードブル、魚、肉、中華など豊富で、丁寧に作られたものが多い。私は飲む方がメインなので、オードブルばかりいろいろいただいてきた。手前左は数種類の茸を使った前菜で、ほんの少し入った松茸がアクセント。右はポテトサラダ、奥は茄子のコンソメ煮、左下は野菜の冷製。
仮設とはいえ、スペースをゆったりとったぜいたくな施設である。廊下を行き来するのは、近くに住んでいるらしい外人の家族連れが多い。建物には、多数の飲食店の他、図書館、ビデオライブラリー、アスレチッククラブ、プールなどがある。歩いて来ることのできる場所に住んでいるなら、ぜいたくな老後を過ごすのにいいかもしれないが、まあ私には無縁である。知人に会員がいるなら、シャンパンを飲みに行くといいかも。ちなみに私は、ボトル一本半くらいを飲んだ。酔っぱらうのもみっともないので少し控えめ、である。(2009.9.27)