橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

武蔵小杉「文福 南口店」

classingkenji2009-08-12

さて三軒目は、もつ焼き・もつ煮込みの有名店へ。駅周辺に三店あるらしいが、私が行ったのはやや新しそうな南口店である。実は先にも立ち寄ったのだが、満員で入れなかった。店内はあまり広くない。右側にカウンターが九席ほど、左側にテーブルが四卓。カウンターの端の方に席を取り、まずは生ホッピーを注文(四八〇円)。こういう蒸し暑い日には、もっともおいしい飲み物のひとつだろう。
串焼きは一本一一〇円から。焼きとんはカシラ、タン、ハツ、レバ、シロ、コブクロとあり、いずれも一一〇円。やきとりは一二〇円で、野菜焼は一三〇円から。カシラは品切れとのことなので、タン(塩)とシロ(たれ)をいただくことにする。タンは塩味控えめで澄み切った味。丸々と太ったシロはジューシーで、シャキシャキした歯ごたえながらスッと噛み切れ、甘さ控えめのタレとよく合う。名店といわれるのも、よく理解できる。
明日も朝から授業なので、名物といわれるカレー煮込みは食べずにお勘定。超高層のマンションと、庶民的で成熟した飲食店街。この組み合わせが、これからどんな街を作っていくものか。今日は駅の南側だけだったが、次回は北側も散策してみましょう。(2009.8.5)

川崎市中原区小杉町3-426-2 後藤ビル 1F
17:00〜23:00 無休