橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

千歳船橋「北新地 鳥屋」

classingkenji2009-05-13

北新地に本店のある関西資本の焼鳥チェーンが、なぜか千歳船橋に上陸。このチェーンは、焼鳥を出す居酒屋と、焼鳥中心の総菜屋を同時展開しているようだが、この店はその二つを組み合わせたもの。小田急線の北側ガード下にあり、厨房の一面が駅前広場に接していて、ここから買うこともできる。店内は立ち飲み中心で、椅子はいくつか置いてあるという程度。
焼鳥は、一本一二〇円から一四〇円、名物だという手羽の唐揚げは、三つ一皿が三〇〇円。モモやつくねなどは塩・たれ両方を出すが、レバはたれのみ、ナンコツやボンジリは塩のみと、独特のこだわりをみせる。テイクアウトもやっていることから、焼鳥は一度焼いたものをさっとあぶるのが基本だが、頼めば焼きたても出してくれる。注文の時に「焼きたてもできますが」と聞いてくるので、そのときに言えばいい。酒は、全体に安め。生ビール四五〇円、サワー類三〇〇円、ホッピー四二〇円(中一五〇円、外三二〇円)。焼酎も何種類か置いている。小田急線沿線の住宅地に、立ち飲み屋は珍しい。早くも常連になってしまった雰囲気の中年男性客が、何人か集まっていた。近所の人なら、帰りにちょっと一杯飲める場所として重宝するだろう。やきとりの味は、まあまあ美味しいといったところ。(2009.5.3)

世田谷区船橋1-9-45
17:00〜22:00(立ち飲みコーナー 総菜は11:00から ランチあり)