橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「雅屋」

classingkenji2016-03-16

駅周辺からの帰りによく通る道に、「YEBISU中ジョッキ198円」という看板のある、チェーン店らしき店がある。別の看板には、有名地酒の名前もいくつか。気になってはいたのだが、この道を通るときはたいがい、飲んだ帰りか食材を買った帰りなので、なかなか入れずにいた。今日は早い時間に気がついたので、どこにも寄らずにここへ。
 幸いにカウンターがあり、一人でも気兼ねなく入れる店だった。当然ながら、まずは中ジョッキを注文。ちゃんとエビスのジョッキに入ってくる。大きさは、中の小といったところで、中ジョッキという表示は嘘ではない。基本は焼き鳥ともつ鍋の店。焼き鳥は、レバ、砂肝、ハツが一二〇円、ねぎま、ボンジリが一五〇円、だんご、セセリが一八〇円など。もつ鍋は一〇八〇円だが、二人前からとのこと。うれしいことに、日本酒が思ったより充実していて、レギュラーメニューに二〇種類ほどと、月替わりメニューに四種類。レギュラーメニューの超有名銘柄には品切れが多いが、仕方がない。ビールを四杯飲んだあと、寫楽と丹沢山輶(いずれも五九〇円)をいただく。
レシートを見ると、席料が三七八円とやや高いが、これは仕方がない。ビールを二杯飲めば、十分元が取れる。都内に数軒ある小規模チェーンのようだ。悪くない店だと思う。(2016.3.9)

豊島区西池袋3-22-10 ルミエール2F
17:00〜24:00(日〜23:30) 無休・ランチあり