渋谷「鳥竹総本店」
映画「砂の器」ロケ現場か、というわけで、外出ついでに寄ったのが、井の頭線の西側出口の近くにあるこの店。ずいぶん久しぶりである。この店はお昼前に開店で、昼から飲める店。近くには二四時間営業の「山家」もあり、おしゃれな若者の街というイメージの強い渋谷にあって、異色の一角である。ご覧の通り、角地で一角の切れた変則的な形をしているが、この様子から見ると、ビルに建て替えたときにセットバックしたのかもしれない。忙しそうだったので、店の人には聞きそびれたが、映画の画面にちらりと見えるエンジ色の暖簾や、鰻と焼鳥を二枚看板にしているところなどみると、やはりロケ地はここだったのではないか。
この店、一階にしか座ったことがない。上階のほうはかなり広いらしいのだが、一階は階段と厨房にスペースをとられて、やや狭く、しかも変則的な形をしている。入って右側に、L字型カウンターがあって、一人客はここに座る。焼鳥は、三〇〇円からと高めの価格設定。たしかに大きいのだが、それでも割高感がある。ただし味はよく、たとえばボンジリは開いて骨を取り、形を整えて焼くなど、手がかかっている。塩焼きには、レモンとわさびが添えられてくる。ビールは大瓶が六三〇円。おとなのやきとり屋である。(2009.3.31)
渋谷区道玄坂1-6-1 11:45〜25:00 第2月休