橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

『食楽』2009年6月号

徳間書店のグルメ雑誌で、今月の特集は「焼鳥屋 焼とん屋」。去年も六月号で同じ特集をやっていたので、恒例なのかもしれない。銘柄鶏・銘柄豚を使ったり、ワインを取りそろえたりした高級店から、一本一〇〇円以下の大衆店まで、いろいろ紹介している。この手の雑誌は多く、いつも同じような店を紹介しているケースも少なくないが、今回のこの特集はけっこうがんばって新しい店を発掘していると思う。
他の特集では、「卵かけご飯」がおもしろい。シェ・ミクニ風や、明太子・ピータン・生卵・いくらを載せた「卵4兄弟」、さらに調味料として味噌や豆腐ようを使ったり。いろいろ作ってみたくなる。
タイアップ記事が多い割には、八二〇円と高いのが難点だが、新しいやきとり屋を開発したい人はどうぞ。

食楽 2009年 06月号 [雑誌]

食楽 2009年 06月号 [雑誌]