橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

千歳船橋「登美や」

classingkenji2008-06-02

小田急線は、焼きとん屋不毛地帯である。皆無というわけではない。祖師ヶ谷大蔵「たかはし」豪徳寺「祭邑」など、いい店もあるにはある。しかし焼きとん屋くらい、それぞれの駅前に二、三軒ずつくらいあってほしいと思う私には、物足りない。自宅の最寄り駅である経堂近辺にも「灯串坊」「きはち」と、いい焼きとん屋があるにはあるのだが、肉は小振り、他の料理や酒に主力があるようでもあり、ちょっと上品すぎて物足りない。と思ったら、隣の駅の千歳船橋に新しい店ができた。「上州とことん豚」を使っているとのことで、価格設定はハツ、シロ、ガツ一三〇円、レバ、タン二〇〇円、カシラ二五〇円などやや高めだが、量が多いのでさほど割高ではない。その他、レバ刺、ハツ刺、もつ煮込みなど。魚の刺身などもあり、メニューはけっこう豊富。ホッピーがあり、セット四五〇円、中一七〇円、外二五〇円と、小田急線としては安め。店内は細長く、長テーブルの横に簡単な椅子があるという、ちょっと立ち飲み的な作り。二階にも席があるらしい。食事の前に、ちょっと焼きとんとホッピーを、というような使い方ができそう。千歳船橋の改札から南側に出て、スーパー「オオゼキ」のある通りより一本新宿よりを入って、すぐ左。

世田谷区桜丘2−29−14
17:00〜24:00 日休