橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

蒲田「片桐」

classingkenji2009-04-23

今日は、城南地区を根城とする居酒屋探偵DAITENさんと蒲田で待ち合わせ。今回は、蒲田の居酒屋めぐりをしようという趣向である。蒲田は、私にとってはあまりなじみのない土地。おそらく、二−三年に一度しか立ち寄ることがない。居酒屋、とくに立ち飲み屋が多いというイメージはあるものの、行ったことのある店は三軒ほどしか思い浮かばない。ましてや、京急線蒲田の方となると、まったくの空白地帯。地元に詳しい人に連れていってもらえるのはありがたい。
一軒目は、この店。蒲田の繁華街から少しはずれた住宅地の入り口あたりにあり、名を「片桐」という。小さな店で、L字型カウンター一二席のみ。今回はDAITENさんが予約しておいてくれたが、すでに客が何組も入っていた。この店はもともと肉屋で、今でも右側には売り場がある。だからもつ焼き、もつ煮込みをはじめ、シチューや焼肉など、肉料理が充実している。最初に頼んだ牛もつ煮込み(五五〇円)は、いろんな部位が柔らかく煮込まれていて絶品。もつ焼きは(一本一二〇円)で、サイズ大きく、味・ボリュームとも文句がない。酒は生ビール六〇〇円、瓶ビール七五〇円、ホッピー四〇〇円、ハイサワー四〇〇円、日本酒一合四〇〇円など。
メニューに本格的な肉料理と煮込み・もつ焼きが並ぶ店というのは、ありそうなのにあまりないタイプといっていい。ワインを何種類か揃えれば、女性客も多くなりそうだ。この店に関しては、十分繁盛しているから余計なことはしなくていいのかもしれないが、ひとつのビジネスモデルとしては成立しそうである。(2009.4.18)

大田区蒲田4-27-3
03-3738-7116
17:00〜24:00 日休