橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

蒲田「とっちゃん」

classingkenji2009-04-27

DAITENさんに案内されての、蒲田居酒屋めぐり、二軒目はこの店。京急蒲田駅の周辺には、ヤミ市の臭いのする商店街がある。詳しい記録は残っていないのだが、ここは郊外のターミナル駅だから、周辺から農産物や工業製品などの物資が集まってきて、大規模なマーケットが形成された。この商店街を通り、灯りが少なくなってきたあたりに「とっちゃん」がある。立ち飲み屋だが、料理も酒も、種類が多い。雰囲気は明るく、女性客でもなんとか入れそうだ。狭すぎず、広すぎず、適度に親密な雰囲気が保たれているのもいい。いただいたのは、フローズンホッピー(三九五円)、料理は、ごま和え、もろきゅう、スパムなど。チェーンの立ち飲み店のように型にはまらず、小さな店にありがちなように、安いは安いがメニューが貧しいということもなく、季節のものを手作りで出しているところがいい。ぜひ近所に欲しい店である。(2009.4.18)

大田区蒲田4-3-4
17:00〜23:00 日祝休