橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

吉祥寺・ハモニカ横丁のジンジャーハイボール

classingkenji2009-03-30

久しぶりにハモニカ横丁へ行ってみると、「ジンジャーハイボール」と書かれた黄色い提灯がたくさん下がっている。横丁の名物にしようと開発された新商品ということらしい。そこで「てっちゃん」に入り、注文してみる。値段は五〇〇円と、少々高めの設定。派手にPRしているわりには、カットして入れるレモンが品切れとのことで、店員があわてて買いに行く(笑)。出てきたのは、写真のような一品。口に含むと、ちょっと古くなった生姜のような香りがする。以前、焼酎に生姜を漬け込んで生姜酒を作ったことがあるが、まさにその通りの味。すっきりしてスパイシーなのはよろしいが、その場で絞って生姜汁を入れる方が、鮮烈な味で良かったのではないか。
後で調べてみると、サッポロビールの販売しているジンジャー味の甲類焼酎「トライアングルスムース」を使い、トニックウォーターで割ったもので、吉祥寺全体で展開しているとのこと。値段は店によって違い、谷中生姜をマドラーにするなど、工夫している店もあるらしい。ブームになるほどのものとも思えないが、一度試してみる価値はある。(2009.3.26)