橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「らかん茶屋」で飲む「けいこうとなるも」

classingkenji2009-02-22

今日は仕事に集中していたので、買物もできず料理の時間もなく、妻ともども近所の居酒屋へ。向かったのは、一月のはじめにも行ったこの店。イカと鰺をたたいて粘りけを出した「なめろう」、皮目を焼いた金目鯛の刺身、金目のカブト煮、地魚の天ぷら盛り合わせなど、いずれも安くておいしい。
焼酎ブームといわれて久しいが、これまでブームを牽引してきたのは、主に芋焼酎だった。しかし、「兼八」が注目されたあたりから、麦焼酎の存在感が増してきたように思う。初めてみた、何ともユニークなラベルのこの麦焼酎は、福岡県はゑびす酒造の製品。常圧蒸留のあと三年間熟成させたとのことで、こなれた香りとまろやかな口当たり。「兼八」のような焦がし麦の香りもいいのだが、麦焼酎本来のもち味を生かすという正統派のアプローチは、好感が持てる。まだ注目されていないようで、ごく普通の値段で買える。ちなみに、この店でのボトルの値段は三〇〇〇円である。(2009.2.19)

世田谷区経堂1-23-13興輝ビル1F
日‐木:18:00〜23:30
金・土:18:00〜翌1:30

[rakuten:kuuki:10001279:detail]