橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「大越」

classingkenji2009-02-24

今日は、執筆のための顔合わせで、雑誌の編集者と会う。まず、「みますや」へ向かったのだが、六時前というのにすでに予約で満員。この店も、なかなか入れない店になってしまった。予約しないと入れないというのは、下町居酒屋の正しい姿ではないと思うのだが、文化財のような店だから仕方がない。
と思いつつ、神田駅へ。ガード下の名店「大越」も、すでに一階はスーツにネクタイ姿のサラリーマンたちで満員で、二階へ通された。二階があるとは知らなかった。新橋から続くこの山手線のガードは、明治時代に作られたもので、最近のガードとは違い、強く湾曲している。だから二階へ行くと、こんな曲面の下で飲むことになる。これもまた、都心気分というものだ。座り心地は良いとはいえなかったが、原稿の打ち合わせはすぐ終わり、映画や東京本の話で盛り上がったのだった。
メニューや値段については、前回を参照してください。(2009.2.20)

千代田区鍛冶町2-14-3
11:00〜23:00(土曜〜22:00) 日祝休