橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「天ん洋」

classingkenji2008-01-23

やきとり横丁の後は、自宅近くの「天ん洋」(前回)へ。こちらではスズキの刺身(八五〇円)、あんきもポン酢(六八〇円)、ふぐの天ぷら(九五〇円)、そしてここでしか食べられない大ニンニクの天ぷら(六〇〇円・写真)をいただく。酒は、まずサッポロ黒ラベル、そして「佐藤」の麦と「富乃宝山」をロックで。佐藤の麦は、最近出回るようになった逸品で、焦がし麦のような香ばしい香りがする。店で待ち合わせた妻は、別の焼酎を一杯。料理は何かと量が多く、ふぐの天ぷらなどは小振りの潮際フグながら、五匹分が山盛り。勘定は、六〇〇〇円少々。魚料理と焼酎の好きな人は、電車に乗ってでも行ってみる価値がある。場所は経堂西通りだが、「レプロット」のある通りではなく、一本線路よりにある。(2008.1.11)