橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「幸楽」

classingkenji2007-08-20

北千住へ行った以上は「大はし」か「永見」へ行きたかったのだが、残念ながらお盆で休み。そこで向かったのが、「永見」の斜め向かいにあるこの店。駅の北口を出て左側、ときわ通りにある。永見とよく似た感じの大衆酒場で、料理の種類が多い。空豆、茶豆が三〇〇円、げそ唐揚げ、厚揚げ焼きが三八〇円、はるまき、餃子が四五〇円、穴子やメゴチ、キスの天ぷらが五八〇円など。三〇〇円の「幸楽ボール」は、正統派の下町ハイボール。ビールは大瓶が四五〇円。この店は十二時開店で、昼から飲める店。名店臭さとは無縁の、飾らない「良い店」だ。東武五反野に本店があるらしい。