『かわら版 人世横丁』
この冊子は、人世横丁商店会がその歴史と現在をまとめたものである。5月15日の『朝日新聞』によると、この横丁がかつて色町だったとする本があり、これを客から見せられた商店会の会長さんが「すごく悔しかった。何とかして活字で正したかった」と、まとめる決意をしたとのこと。この本は、私もここで紹介したことのある『東京裏路地〈懐〉食紀行』のことだろう。ゴールデン街の例もあるので、私もうっかり真に受けていた。紹介した責任もあるので、ここでその記述は間違いだと断言しておきたい。正直なところ、この横丁がいつまで続くかと不安だった。便利な場所ではないし、そう頻繁に行くわけでもないのだが、残しておきたい大切な場所である。しかし、この冊子を読んで安心した。店主たちのこの横丁を守ろうとする真摯な姿がよく分かる。冊子は、横丁の店で配布しているほか、豊島区役所でも手に入れることができる。