橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

信州「レストラン オラホ」

classingkenji2007-05-01

昼食のあと立ち寄ったのは、この地ビールレストラン。小高い丘の上にあり、オラホビールのブルワリー併設。隣には湯楽里館という温泉施設や大きな売店もあって、このあたりの主要な観光スポットになっているようだ。ちなみに「オラホ」とは、地元の言葉で「私たちの」という意味である。
ビールはゴールデンエール、アンバーエール、ケルシュの三種類。ゴールデンエールは、一口含むとカスケードホップの柑橘系の香りがたちのぼり、切れ味がいい。アンバーエールもカスケードの香りが強いが、これがカラメルモルトの甘みと調和している。ケルシュはすっきりしていて、穀物の香りがする。ゴールデンエールとアンバーエールは国際ビール大賞2006で金賞を受賞しているとのこと。数ある地ビールの中でも、かなり高水準といえるが、ダーク系のないのは少々残念。日本の地ビールでは、カスケードを使ったアメリカンスタイルのペールエールが主流になっているが、英国系の正統派エールも、もっと作られていいのではないだろうか。
昼食のあとなので簡単なつまみしか取らなかったが、地元産の野菜、サーモン、地鶏などを使った創作洋風料理が中心のメニューは、なかなか魅力的。温泉もあるのだから、次に来る機会があれば、ここで半日過ごしてみたいものである。(2007.4.28)