橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「笑和堂」

classingkenji2010-11-18

経堂駅からの帰り道、見慣れない看板を見つけた。「樽生エーデルピルス」という文字に惹かれて、入ってみることにする。
ビルの二階の店内は、白木を使ったいかにも手作り風のインテリアで、カウンター席が五つほどと、テーブル席。エーデルピルス(六五〇円)は今月から始めたとのことで、期待を裏切らない味だった。その他、輸入ビールが六種と、日本の地ビールが二種ある。伊勢角屋麦酒の「熊野古道」(七〇〇円)は、カスケード・ホップの香りを生かした淡色ビールで、じっくり飲むに値する傑作。
話を聞くと、この店は「出版社兼本屋兼カフェ」なのだそうで、つい最近『モンティパイソン 関西風味』という本を出したばかりだとのこと。ときおりイベントもやっていて、翌日には松尾貴史を中心とする三人で、この本の朗読会をやるとのこと。最近、経堂は若い経営者たちが意欲的な試みをいろいろやっていて、活気が出てきた。うれしいことである。(2010.10.29)

世田谷区経堂2-6-1
15:00〜23:00 火休