橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

新作(?) ホッピー・アンバー

classingkenji2007-09-25

この夏は、ずいぶんホッピーのお世話になった。猛暑で乾いているときは、ビールですら甘ったるくしつこく感じることがある。だからといって、スーパードライの金属的な不味は願い下げだ。すっきりしてしつこくないビールがあればいいわけで、ヴァイツェンビールが夏向きとされるのは、ここに理由があるのだろう。暑い沖縄でオリオンビールが好まれるのも、同じだ。ホッピーの、苦さ控えめで、すっきりした中に麦汁の甘味がほのかに感じられる味は、オリオンビールに通ずるものがある。しかし涼しくなってくると、ホップのフレイバーや苦みも楽しみたくなってくる。それでは、ホップの香りを生かした新しいホッピーが作れないか。試しに作ってみたのが、この「ホッピー・アンバー」である。
まず、濃いめのホップティーを作る。使ったのは、地ビールでよく使われる「カスケード」という品種のホップで、グレープフルーツのような柑橘系のフレイバーが特徴。「よなよなエール」に使われているホップだといえば、味を思い出す人もいるだろう。このホップティーを焼酎に混ぜると、ほのかに緑色の緑茶のような焼酎になる。これをホッピーで割るのだが、こちらは普通のホッピーとホッピー・ブラックを半々にする。ちょうど、地ビールペールエールのような色だ。ホップのフレイバーが生きている。それが、ハーフ・アンド・ハーフのホッピーにマッチする。予想以上の出来上がりとなった。ホッピー・ビバレッジさん、商品化してみませんか。ちなみに写真でタンブラーの下にある銀色の袋が、ラミネート袋入りのホップペレットである。