橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

萬歳楽「夢のしずく」

classingkenji2007-02-17

日本屈指の銘酒「菊姫」と同じ石川県鶴来町(現・白山市鶴来)にある小堀酒造は、「萬歳楽」という酒銘でたくさんの種類の酒を造っているが、その最高峰がこの「夢のしずく」。低温で五〇日間も発酵させた大吟醸生貯蔵酒で、口に含むとサラサラと口中に溶け込み、清らかな吟香が立ち上り、まったく雑味というものを感じさせない。五〇〇ミリリットルで三五〇〇円と安くはないが、高級ワインと比べれば、むしろお値打ちかもしれない。かなり前に買って、ずっと冷蔵庫で保存していたが、たまたま極上の塩ウニが手に入ったので、これを白身魚の薄造りで包んで合わせてみた。金沢駅ビルの「黒百合」では、一合一五〇〇円くらいで出していたと思う。[rakuten:marugensake:120835:detail]