橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

新板橋「君想ふ暮らし」

classingkenji2014-04-11

名店「やきとんひなた」が、都営三田線新板橋駅近くに、イタリアンの店を出した。「ひなた」のラインナップは、これで完成したように思う。もつ焼き屋だがイタリアンと刺身も出す店、魚料理店だがイタリアンも出す店、そしてイタリアンだが刺身も出す店、と。ワインと良い日本酒があるのは共通。和食とイタリアンは、素材と料理法に近いところがあるから、これを組み合わせたのは慧眼である。どこが近いか。味噌の代わりにトマト、醤油の代わりにオリーブオイル、生姜(または山葵)の代わりにニンニクを使えば、日本料理はイタリアンになる(と思う)。
魚のメニューはというと、刺身、カルパッチョ、ムニエル、グラタン、アクアパッツァなど。ピザにパスタ、バーニャカウダなどもある。開店から一ヶ月ほどだが、早くも満員盛況。地元ではすでに、大評判になっているようだ。それも当然だろう。うまくて安い店には、人が集まるのだ。しかも日本酒通もうならせる、酒のラインナップ。最強の洋風居酒屋である。JR板橋駅からも近い。(2014.3.22)

板橋区板橋1-48-1
17:00〜24:00 水休