橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

富山「石坂善商店 酒家蔵部」

classingkenji2012-06-08

店名は、「いしざかぜんしょうてん さけくらぶ」と読む。一一五年続くという酒屋が営む日本酒バーで、店を切り盛りするのは、四代目社長夫人と五代目の娘婿。地元の蔵を支援するため、瓶を並べて売るだけではなく、客に飲んでいってほしいと考えて、店頭で酒を飲ませるようになったのは一〇年前という。
店の一部を改装したカウンター中心のバーで、ダークブラウン基調の落ち着いた雰囲気の店内には、モダンジャズが流れる。酒屋だから酒の種類が多いのは当然で、最近とくに評判の「羽根屋」「勝駒」など、純米クラスから吟醸大吟醸まで、それぞれ数種類を飲むことができる。ちょっと繁華街から外れるが、いってみる価値は充分ある。営業は週三日だけ。(2012.5.10)

富山市中央通り3丁目4-3
木金土のみ営業 18:30〜22:00