橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

下北沢「ISEYA」

classingkenji2011-10-05

「久仁」を出て、茶沢通りから下北沢に向かう。代沢と代田という二つの高台の高級住宅地に挟まれた谷道。下北沢の少し手前の三叉路で、若者の集まる南口の商店街が分岐するのだが、ちょうどそのあたりで、この酒屋さんを見つけた。日本酒の品揃えが豊富かつユニークで、見たことのない酒が多い。そういえば秋あがり(ひやおろし、とも言う)の季節なので、「正雪」の純米酒と、「庭のうぐいす」純米吟醸・鶯花の秋あがりを買った。
店先には、下北沢でよく見かけるこのポスターが。保坂展人が区長になって、再開発見直しの動きに勢いが出てきた。シモキタは、山の手のなかの下町に形成された、雑多な文化がぶつかり合い交雑する、二つとないユニークな街。大切にしたいものである。(2011.9.17)

世田谷区代沢5-18-11
12:00〜24:00 水休