橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「裏や」

classingkenji2013-11-07

何度も書いているように、池袋には日本酒の品揃えのいい店が多い。多いだけに、まだ訪れるチャンスのない店もいくつかあるのだが、ここはそのひとつだった。この日は少し暇だったので、早めの時間に訪れてみた。目立たない店構えで、しかも地下だから、つい通り過ぎてしまいそうだ。
メニューには日本酒が一〇〇種類以上。その上に新入荷もあるから、なかなか飲み尽くせなさそうだ。値段はグラスで四三〇−五八〇円が大部分だから、池袋の他店と同様にリーズナブル。先にビールは飲んでいったので、日本酒から始める。この日いただいたのは、「姿・純米吟醸雄町無濾過生原酒」「旭鳳・純米原酒秋のいざない」「奥能登の白菊・純米吟醸」。いずれも濃醇で香りが良く、旨い。
料理はいろいろあるが、一人客限定の刺身の盛り合わせ(九八〇円)というのがあって、種類・量・味ともいいから、一人ならまずこれを注文することだ。季節のメニューが多く、この日は松茸焼き・松茸焼きが九八〇円、キノコのお浸し四八〇円など。日本酒をゆっくり楽しめる名店に、また出会った。(2013.10.2)

南池袋2-27-6 第2佐々木ビルB1F
17:00〜23:30(日祝16:30〜22:30)