橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

浅草「酒の大枡・雷門店」

classingkenji2012-04-18

昼酒の二軒目は、ここにした。基本は酒販店だが、横にバーコーナーがあって、日本酒を数十種類から選んで飲むことができ、簡単な肴も出す。貼り紙に「春のぬる燗フェア」とあり、出羽桜の桜花吟醸を燗で出すというので、いただいてみた。もともと淡麗な酒だから、さほど燗あがりするわけではなく、ちょっと期待はずれか。奈良・吉野の「花巴フェア」というのもやっていて、純米や吟醸大吟醸など八種類。蔵付き酵母だけで作った「酵母無添加」というのがあったのでいただいてみると、ちょっと複雑なニュアンスがあって、なかなか良い。気の利いた肴がいろいろあり、蕎麦・胡桃・胡麻と揃った「味噌三種食べ比べ」など、食事を済ませたあとで日本酒を楽しむにはもってこいだ。
帰りには、酒販コーナーで「田酒・山廃特別純米」と「出羽桜雄町純吟しぼりたて」を買う。実は、四月七日の花見で飲んだのは、この日に買ったもの。雷門の右側の路地に入って、一本目を右に入るとすぐ。(2012.4.4)

台東区浅草1丁目2-8
12:00〜24:00 無休