花見 in 砧公園
砧公園は、世田谷区では駒沢公園と並ぶ主要な公園である。いちばん近い駅は東急線の用賀で、ここからだと歩いて一〇分少々。小田急線だと千歳船橋と祖師ヶ谷大蔵がほぼ同じくらいの距離で、歩くと二五分くらいかかる。もとは都営のゴルフ場だったとのことで、起伏があり、変化に富んでいる。
ここが、私の家の近所では最大の花見スポット。東日本大震災を「天罰」と言い放ち、花見を自粛しろなどとのたまう老人がいたが、都民はいつものように花見に来ている。家族連れと若者のグループが多い。私が持ち込んだのは、この酒。陸前高田の「酔仙」である。この酒を飲みながら花見をするのは、もしかするとこれが最後になるかもしれない。地酒は地元が主な消費地だから、地元の復興が進まないと、酒蔵は復興しない。同じことは、さまざまな地場産業にいえることだ。支援するためには、東京のような大消費地が、復興するまでの間は消費を代行する必要がある。その手助けをしたい。「酔仙」の場合は、蔵そのものが消滅しているから何ともし難いが、出荷の再開を準備している蔵はいくつもある。当分は、被災地の酒を飲み続けることにしよう。(2011.4.10)